・ 米兵公務中の事故 和解 国、過失認め賠償
報道によると、2008年8月にうるま市で米海軍所属の女性が起こした交通事故で死亡した男性=当時(38)=の家族が、日米地位協定の民事特別法に基づき、国と沖縄防衛局を相手に損害賠償など約7100万円を求めた訴訟は19日、那覇地裁で、国側が米兵の過失を認め賠償金を支払う内容の和解が成立した。沖縄防衛局は「(県内で)同種事案で同法に基づく賠償支払いは過去に例がない」と回答。県内初の事例とみられる。
米兵はこの事故で自動車運転過失致死容疑で書類送検された。家族側によると、日米地位協定上、公務中の事件は第一次裁判権が米側にあることを理由に、米兵は不起訴処分となった。今回の裁判で国側は当初「(米兵に)過失責任はない」などと反論していた。
原告代理人の亀川栄一弁護士は「国は米兵に落ち度がないと主張してきた。きちんと責任を取るべきだ。裁判所はこちらの言い分を認め和解を勧告した」と、訴訟を続けた国の姿勢を批判。一方で「本来は刑事事件で問われる事案。日米地位協定を改正すべきだ」と指摘した。
和解は内容について公表しないとされているため、賠償額などは明かせないとした上で「ほぼ請求が認められた」と説明。沖縄防衛局は「地裁の和解勧告に応じたが、内容の詳細はプライバシーにかかわることから差し控えたい」と話した。
訴状によると、事故は08年8月11日朝、うるま市田場の道路で発生。米海軍の女性は乗用車で進行中、対向車線に進入し、向かってきた男性のバイクに衝突し、男性は死亡した。米海軍の女性は勤務先のホワイトビーチに向かう途中だった。
<用語>民事特別法
日米地位協定の実施に伴う特別法。米兵の公務中の不法行為や米軍施設の管理不備などで他人に損害が生じた場合、日本政府が賠償責任を負うなどと規定。米海軍横須賀基地に勤務した元基地従業員らが、業務でアスベスト(石綿)を扱い被害を受けたとして同法に基づき、国を訴えた裁判では横浜地裁横須賀支部が国の責任を認め賠償支払いを命じた。県内の事件、事故での認定は過去にないとみられる。

